映画「ミスティック・リバー」

レンタルビデオ店のPOPには、
「悲しすぎてもう一度見たいとは思わないけど、一度は向かい合うべき作品」
という説明がありました。

クリント・イーストウッドが監督した作品です。
優れた俳優であり、監督である彼の映画はいくつかみているけど、
深いテーマをとても真剣に問いかけていることが多く、見終わった後
答えの見つからない問いをなげかけられたような気がして戸惑うことも。

「ミリオンダラー・ベイビー」などはあまりにも哀しくて、鑑賞後、
1か月くらい、頭からはなれなかったほどでした。
まさに、「もう一度見たいとは思わない」けど、一度は観ておいたほうがよい作品です。

そして、今回観た作品「ミスティック・リバー」も、
やはり「う~~ん…」とうなってしまう結末。

ある殺人事件をとおして、幼馴染の3人の男が再会します。
娘を殺されたジミー、刑事のショーン、そして、デイブ。

ストーリーが展開していくにつれて、
彼らにはそれぞれの人生経験があり、それぞれに深い悩みをもち、
それぞれ独自の道徳観念をもって生きていることがわかります。

3人とその家族が、自分の感情や考えに従ってとる言動について、
「正しい」とか「間違っている」とか、「良い」とか「悪い」とか、とても言えない…。
それがもどかしい気もしますが、そもそも
一般的な道徳規範をもって、単純に
人の行動を批判したりとがめたりすることにはためらいを感じるべきなのでは…と
気づかされます。その行動に至った背景など他人にはわかるはずもないのだから。

この作品で、ジミー役のショーン・ペンがアカデミー賞主演男優賞、
ティム・ロビンスが助演男優賞を受賞しました。

凶悪な事件が多い今、
やはり「一度は向かい合うべき作品」といえるでしょう。

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