エッセイ「野心のすすめ」

林真理子は、私の年代で知らない人はいないくらい顔も名前も知られた作家で、
歯に衣着せない発言や、自虐ネタに富んだエッセイは、バブル期の女性に人気でした。

彼女は、高級ブランド品、一流ホテルでのディナー、航空機のファーストクラスなど、欲しいものを「欲しい」と大声で宣言し、実際に手に入れて皆に堂々と自慢する、という、がむしゃらで上昇志向な人、というイメージがあります。
それが、バブル期の女性を象徴するひとつのモデルでもありました。

こんな人がトシをとると、さぞかしあつかましいオバサンになるのかと思いきや、最近の彼女をテレビで見ると、外見、ものごしともに非常にいいかんじの女性になっています。そのときは「ふ~ん」落ち着いたかんじになったな、程度の感想でした。

そして、思いがけず、彼女の小説を読んで、けっこうショックを受けました。「あ、この人、作家だったんだ!」と初めて認識し、林真理子に対するイメージがすっかり変わったのです。

彼女が、今の彼女になるためにどれほどの努力をしたかは想像に難くないのですが、このエッセイには、その軌跡と考え方が具体的に書かれています。

私にとって林真理子という人は、
人には無限の可能性がある…  という生きた見本のような人です。

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