「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」
以前から本屋さんに平積みされていたのですが、表紙がギャルの写真なので、ずっと合格した本人が書いたものだと思っていました。
実際に読んでみると、著者はギャルを指導した塾の先生。表紙の写真も慶應大学に合格した本人ではなく、モデルさんでした。紛らわしい…。
漢字もまともに読めない高校生が1年ちょっとで慶應大学に合格するためには、オリンピック選手なみの努力と忍耐力が必要です。一流スポーツ選手と同様、優れたコーチと家族のサポートもあっての快挙でした。
この本の主眼は、具体的な勉強の指導方法よりも、先生や親がどのような考え方で彼女に向き合ったのか、という点におかれています。
その考え方をまとめたのが「巻末付録 坪田式人材育成のためのテクニック」。非常に説得力があります。「テクニック」というとなんだか技巧的なかんじもしますが、坪田先生自身の教育指導に対する真摯な姿勢を具体化したもので、人と信頼関係を築くためにはどのようにすべきか、なぜそうすべきなのかが分かりやすく書かれています。
特に「生徒や部下との信頼関係を築くために」と題した部分は、目からうろこ。よく考えてみれば当たり前だけど、多くの人が見過ごしていたポイントをさらりと解説しています。
すべての親がこのように少しだけ視点を変えることができれば、陰湿なイジメは減り、世の中もっと明るなりそう。学校の先生や親だけでなく、医師や看護師、会社の上司やセールスマンなど、人に接する機会の多い人すべてに役立つ哲学書ともいえます。
「ビリギャル」は映画化されて現在上映中。
先生と生徒のやりとりがおもしろくて、けっこう笑えます。
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