小説:「八日目の蝉」

「八日目の蝉」は、ドラマにも映画にもなった作品です。
主人公である希和子は、不倫相手の子供を誘拐して、自分の子供として育てようとする女性。

「何をしようってわけじゃない。ただ赤ちゃんを見るだけ」と自分に言いきかせながら、希和子は不倫相手の奥さんが家を空けたわずかな隙に忍び込みます。

泣いていた赤ん坊が自分を見て泣き止み、ふと笑う。抱き上げて、赤ん坊のあたたかさとやわらかさに触れる。「私なら、たとえ短時間でもこの子をひとりにして出かけたりしないのに」と思って抱きしめる。気が付いたら、そのまま外へ出ていた…という成行きで希和子は誘拐犯となってしまいます。

子供を育てるだけでも大変なのに、誘拐犯として逃げなければならない希和子、夜中に大声で鳴き声をあげる赤ちゃん…
私は、ドラマも映画もそのあたりまで見てギブアップし、それ以上は見られませんでした。

でも、この小説がそんなに支持されたのはどうしてだろう、と気になって、本を読みました。

子供を連れ去った後、希和子は指名手配されながらも、4年近くの間逃げ続けます。
人目を避ける不自由な生活のなか、子供に薫という名前をつけて、大切に育てました。

最後まで読んで、ようやく作者が伝えたかったことはわかったような気がしたけど、やっぱり希和子に共感することはできず、ザラザラとした違和感が残りました。ただかわいいと思って本能的に抱きしめて連れ去るまでは理解できるけど、育てるのは大きな責任が伴うし、簡単じゃないし…。お母さんが「犯人」だとわかったら、子供もかわいそうだし。

ま、そんなふうにあれこれ考えてしまうから、私には子供がいないのだ、と変なところで納得しまう作品でした。

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