小説:「影法師」

石高によって武士の階級が明確に分かれ、厳しい上下関係が存在した江戸時代の幕藩体制下。
高い志を抱いた才能ある二人の若者が選んだ人生の明暗を描いています。

主人公、名倉彰蔵は、藩士の中では下士という低い身分から国家老にまでのぼりつめた人物。
物語は、50歳になった彰蔵が、長年行方不明になっていた親友、彦四郎の死を聞かされる場面から始まります。
頭脳明晰で剣の達人であった彦四郎がなぜ世捨て人のような人生を送ったのか?

さすがは放送作家だったという経歴をもつだけあって、この作家の小説は読者を飽きさせない工夫があり、「それで、どうなる?」「どうしてそうなった?」というふうに次々と先を知りたくなる絶妙な構成で話が進められます。

文章も読みやすく、最初の1ページから最後のページまで、夢中になって一気に読めました。

侍らしい、潔い生きかたが描かれているこの小説、日本人の心の琴線に触れる佳作であります。が、あまりにも完璧すぎて逆にリアリティに欠けるのが難点かも。

百田さん、恋愛小説はちょっと苦手…かな? o(^-^)o

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